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日本の森を数字で読む

日本の森を数字で読む

森を知る

公開日:2026.11.03

更新日:2026.10.28

日本にはどれくらい森林があり、どれくらいの木材を使っているのでしょうか。森業を考えるとき、全国の統計は出発点になります。ただし、森林の広さ、そこにある木の量、1年間に供給される木材の量は、それぞれ別の数字です。年と単位をそろえて読むことで、数字が教えてくれることと、現地で確かめるべきことを分けられます。

出典確認日:2026年10月28日

森林面積と蓄積の基本的な数字

林野庁の「森林資源の現況」では、2022年3月31日時点の森林面積は2,502万ha、人工林面積は1,009万ha、森林蓄積は55.6億m³です。いずれも2026年の実測値ではなく、記載した調査時点の値です。[1]

指標

数値

対象時点

森林面積

2,502万ha

2022年3月31日

うち人工林面積

1,009万ha

2022年3月31日

森林蓄積

55.6億m³

2022年3月31日

出典:林野庁「森林資源の現況」。原表の蓄積5,560百万m³を、55.6億m³に単位換算しています。[1]

haは面積、m³は体積の単位です。森林蓄積は森林に立つ木の幹の体積を表すもので、木の本数や、1年間に販売した木材の量ではありません。[2]

同じ面積でも、樹種や木の大きさが異なれば、蓄積は変わります。このため、面積の割合と蓄積の割合を入れ替えて説明しないことが大切です。

森林資源の数字はどのようにつくられるか

「森林資源の現況」は、森林計画の資料などを基本に集計し、調査時点までの伐採や造林、林齢の変化などを反映して取りまとめています。全国のすべての木を、その日に一本ずつ実測して足した数字ではありません。[3]

令和7年度森林・林業白書も、森林資源現況調査の蓄積は都道府県の成長モデルによる値を集計したもので、主に林業目的の樹種を対象とし、高齢級の精度には留意が必要だと説明しています。[4]

統計として役立つことと、個々の山の状態を正確に示すことは、別の話です。特定の森林で事業を考えるときは、全国値だけで使える木の量や収益を見積もらず、現地の情報を確認する必要があります。

人工林の年齢から読み取れること

同白書は、2022年3月末時点の人工林が森林面積の約4割を占め、その約6割が51年生以上になっていると示しています。[4]

これは、年齢別に見た森林資源の構成を知る情報です。個別の場所でいつ伐採するかまで、年齢だけで決まるわけではありません。事業として考えるなら、搬出経路、木材の用途、作業体制、伐採後の管理などを、所有者や地域の担い手と確認したいところです。

また、森林を使う方法は木材生産だけではありません。保全や学習の場としての利用も含め、その森林に合う役割を考える余地があります。

木材自給率42.5%は何の割合か

2024年の木材需給表では、総需要量は8,187万4千m³、国内生産量は3,480万9千m³、木材自給率は42.5%でした。木材需給表は、製材や合板などに使う用材、しいたけ原木、燃料材等を丸太に換算した量で整理しています。[5]

木材自給率は、国内生産量を総需要量で割った割合です。森林面積に占める人工林の割合や、木製品の個数に占める国産品の割合とは異なります。白書では2024年の用途別自給率も示され、建築用材等は52.9%、パルプ・チップ用材は16.0%でした。[6]

全国の自給率一つから、特定の家具や建物が国産材をどれだけ使っているかは判断できません。購入する製品について知りたい場合は、産地や調達経路を製造者に確認する方が、問いに直接答えられます。

数字を森業の企画に使うとき

統計を企画書や記事に載せる前に、編集部として次の確認を勧めます。

- 数字の対象年と、公表された年を分けて書く。

- 面積、木の体積、年間の生産量を混同しない。

- 割合の分母と、対象となる地域・用途を確認する。

- 全国の平均的な姿と、事業を行う現地の条件を分ける。

たとえば森林体験を企画するなら、全国の森林面積より、現地の利用許可や歩ける範囲、受け入れ体制が実施の判断につながります。木材を使う商品なら、求める品質・量を継続的に調達できるかが論点になります。

大きな数字は、森に関わる仕事を考えるきっかけになります。その数字から何がわかるかを見極め、次に必要な情報を現地で確かめていくことで、企画を具体的なものにできます。

出典と参考資料

1. 林野庁「森林資源の現況」(2022年3月31日現在、PDF1ページ)。面積・蓄積の数値を参照。

2. 林野庁「平成28年度森林・林業白書 第II章第1節」注2。蓄積の用語説明のみを参照。本文中の統計値はこの旧版から引用していません。

3. 林野庁「森林資源の現況 調査の概要」(2022年3月31日現在)。調査方法を参照。

4. 林野庁「令和7年度森林・林業白書 第1章第1節 我が国の森林の状況と多面的機能」。人工林の構成と注3を参照。

5. 林野庁「令和6年 2024年 木材需給表の公表について」(2025年11月21日)。

6. 林野庁「令和7年度森林・林業白書 第3章第1節 我が国の木材需給の動向」。自給率の定義と用途別数値を参照。

統計の説明に続く企画上の確認事項は、編集部の提案です。

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Editorial Team

Shall We Forest? 編集部

森を楽しむ、森で働く、森を活かす。森と人の新しい関係を、暮らしと事業の両方から考えるShall We Forest?編集部です。